松野貴則の映画日記

映画のレビューブログです。僕個人の独断と偏見にまみれた作品紹介をしていきます! *ネタバレ注意*

ミュージアム ☆☆☆

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ミュージアム

 

監督 大友啓史

原作 巴亮介

脚本 高橋泉 藤井清美 大友啓史

出演 小栗旬 小野真千子 野村周平 丸山智己 田畑智子 市川実日子 伊武雅刀

   大森南朋 松重豊 妻夫木聡

公開 2016年11月12日

 

 【ストーリー】

刑事沢村は家庭も顧みず、事件を追いかける毎日を過ごしていた。

そんなある日、空腹の犬に女性が食い殺されるという事件が発生する。

そこには「ドッグフードの刑」と記された一枚の白いカードが。

その後雨の日に同じ手口の犯行が次々と起こる。

事件を追いかけるうちにカエル男の存在が浮き彫りになり、

被害者は皆「幼女樹脂詰め殺人事件」の裁判で集められた裁判員だったことがわかる。

それは沢村にとっても無関係ではなく、

彼を残して子供と家を出ていった妻もその裁判員の一人であった。

妻子と連絡が取れないことに動揺する沢村は担当から外されるも、

一人で事件の真相を追いかけ始める。

沢村は雨上がりに照らされたカエル男が

マスクの下の首元を掻いていたことを思い出し、

「光線過敏症」と言う病を手掛かりに霧島早苗と言う人物にたどり着く。

霧島との死闘の末、妻子を助け出すことに成功するが、

事件の影は沢村家族に色濃く残ってしまう。

良く晴れた運動会、沢村は家族の時間を取り戻すように、妻とビデオカメラを回す。

そこに映し出された映像には、

陽に照らされてぼりぼり首を掻く息子、翔太の姿が映されていた。

 

【感想】

手に汗握る展開と言えば、使い古された表現ですが、

日本映画でここまでアクションにこだわれる映画も

そうそうないんじゃないかと言うほど、激しいアクションの嵐。

それもそのはず。

本作は『るろうに剣心』などを制作した大友啓史監督がメガホンを取りました。

日常に突如として訪れる恐怖、不安、絶望。

役者が極限の状態を想像して現場に『行動』として持ち込み、

それを見事に体現している姿は圧巻です。

自分の大切な人が恐怖のどん底に居たら、

もし、そんな状況の中で殺されていたら、

そして、その二人の肉を自分が食していたら、、、

考えるだけで恐ろしく、吐き気を催すよなシーンの連続。

沢村、そしてカエル男を演じることは演技として非常にハードルが高いだけでなく、

役者自身の日常もおかしくなりかねない怖さを感じました。

撮影期間中相当しんどかっただろうなぁ。こっっっわ。。。

 

 一方で、大友監督曰く、

 

良い年の重ね方をした役者が揃った。

現場の雰囲気がわかって、各々目標があって、

単なる塗り絵ではなく、肉付けした芝居ができる。

だから撮影自体はスムーズでした。

 

こんな風に自分も成長して生きたい!!

役者として年を重ねていった先で極限の状態を演じるような

しんどい作品に関わっていきたい!!!

 

と心に刻んだ、蒸し暑い15時をお伝えします。